考察、VR6(ゴルフ3、ヴェントetc)のABS
 VR6三大悲劇といえば、AT故障、ヒーターコア爆発、そして今回の主役ABS故障。
ここではVR6のABSの仕組み、初期型・後期型ABS別の故障原因とその対策について説明する。
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このサイトではお馴染み、埼玉のVW・AudiスペシャルショップSanfter Wind(ザンフター ヴンド)さん。
もちろんVR6は得意中の得意。ゴルフ2にVR6を換装したデモカーが圧巻です。
管理人のVR6もココでお世話になっています。
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ABSの仕組み
まずはABSの作動原理からおさらいしたい。
(ゴルフ3シリーズに限らず、一般的なABSの作動原理です。)

図1を参照。
ABSの作動原理を簡単な図にしてみた。
VR6をはじめ、基本的にたいていの車のABSは、ホイールと共に回転する強磁性体のスプロケットと、その磁性を検地するブレーキセンダーで構成されている。
このスプロケットが回転することにより、スプロケットの山がブレーキセンダーに接近すると強い磁力が発生し、谷になると磁力が弱まる。この磁力差を検知することによりホイールの回転数を監視しているのだ。
この磁力の働きを可視化してみよう。
図2はゆっくりと低速で走行した時の波形、図3は高速で走行した時の波形となる。(それぞれ同一単位時間内)

急ブレーキ時に4輪いずれかのホイールで、磁性波形が極端に緩やかになった場合(図2の波形)、これをタイヤロックと判断しABS制御が介入。該当ホイールのブレーキを緩め、ロックを緩和する。
VR6(A3系)のABSの種類と故障の原因、修理
A3系のABSは初期型、後期型の2種類に大別できる。
ともに製造メーカーはATE(アーテ)製。最後期モデルのなかにBOSCH製ABSを搭載するモデルが存在するという噂もあるが、これは未確認である。
@搭載モデル解説
右の写真が初期型ABS。
4気筒モデルの型式で言うと1H2E、年式でいうと'94年式モデルあたりまでが該当する。
A故障箇所
初期型ABSの故障原因で最も多いのは、ABS作動時に油圧をコントロールするハイドロリックポンプ不調とのこと。
次にABSコントロールCPUの故障が続く。
B故障原因
エンジンの熱による劣化がほとんどの原因だと思われる。
C修理
今のところ、いずれの故障もABSユニットを総交換する他、完治させる術はなく、20万円ちかくの出費を覚悟せねばならない。

中古パーツと入れ替える方法もあるが、同形式のABSを探すことが困難であることと、所詮は中古品なので、いつ同じ故障が起こるか分からない。
命に係わる部品なので、出来れば新品に入れ替えることをお勧めする。

@搭載モデル解説
こちらの写真は後期型ABS、4気筒モデルでいうと1HADY、年式で言うと'95年式モデルあたりから該当する。
ただし、フォルクスワーゲン車の細かなメカニズム関係の変更時期は非常に不明瞭であるため、年式に関わらず、実物と写真を照らし合わせて確認して欲しい。
A故障箇所
後期型ABSの故障原因で最も多いのは、ABSコントロールCPUの基盤故障。
ハンダが浮いてしまい、故障に至るという。
初期型ABSでポピュラーなハイドリックポンプの故障はほとんどない。
B故障原因
こちらも初期型と同様にエンジンの熱が原因となってハンダが浮くのでしょう。
また、ハンダの品質が悪いから浮きやすいという話もちらほら。
C修理
基盤の浮きが故障原因であれば安価に修理できる。
こちら↓のキーワードで検索すれば修理できるショップが山のように出てくる。
「ゴルフ3 ABS 修理 ATE」
修理料金の相場はだいたい3万円程度。なかには修理保障まで付けているショップもあるようで心強い。
更にネットを徘徊してみると、後期型ABSを自ら修理している凄いオーナーさんも多数存在するようだ。
こういうオーナーさんは勉強熱心で電気回路に詳しい方がほとんどである。
自信のない方はうっかり手出しをしないように・・・先にも書いたが、命に係わる部品なので、取扱いは慎重に。
ABSが故障すると?
前期型、後期型ABS共に、ABSシステムに異常が生じるとライトスイッチ脇のABS警告灯が点灯する。
最初のうちは警告灯が点いたり消えたりを繰り返すが、そのうち点きっぱなしになる。
こうなるとアウト。ABSは完全に機能しなくなる。
ABS警告灯が点灯したら、まずやるべきこと。
ABSが故障した!!と焦る前に以下の作業を試してみよう。
@ブレーキセンダーの清掃

右の写真が取り外したブレーキセンダーである。
先に説明したとおり、この部品は磁石で出来ているのでブレーキダストやらの鉄粉を拾ってしまい、ご覧のような状態になる。

この鉄粉が故障の原因となっている場合がある。
ブレーキクリーナーなどで掃除してあげよう。
こちらが清掃後。
このブレーキセンダー、ABS警告灯が点かなくても時々掃除してあげるといいかも。

また、非常に稀だが、ブレーキセンダーと磁性体のスプロケットが干渉することで故障する場合もある。

とにかく、ABS関係でまず最初にチェックするべき場所はココ!
AABSのCPUカプラーなどの掃除。
古い車では定番の作業だが、CPU関係のカプラーなどを掃除して接点復活スプレーなどを吹いてみよう。
BCPUリセット
ここまでの全ての作業を終えたらCPUをリセットする。
やり方は簡単。
バッテリーのマイナス端子を外し1時間ほど放置、復旧させる。その後エンジンを始動し、水温計が上がりきるまでアイドリングさせれば完了。
これでもABS警告灯が点灯していたら・・・安全運転で迷わず整備工場に持っていこう。
ABS警告灯の話
ABSが正常な場合は、エンジン始動時にABS警告灯がどのように作動するかを説明する。
@キーを差し込む。
この時、オーディオ類はONになる。
AキーON
エンジンはまだ始動しない。
エアバッグ警告灯、ABS警告灯、シートベルト警告灯が点灯する。
(キーON前にシートベルトを装着すると、シートベルト警告灯は点灯しない)
ABS警告灯が消灯。
エアバッグ警告灯が消灯。
シートベルト警告灯が消灯。
ここまで約5秒ほど。
Bエンジン始動。
ここで再びABS警告灯が点灯し、2〜3秒ほどで消灯する。
 さて、何故ここでこのような事を説明するのかというと・・・
ABSが故障した場合、その高額な修理費にめげてしまい、ABS警告灯を殺して無視を決め込んでしまうオーナーさんが多数いらっしゃる。(とても気持ちはよく分かるが・・・)
その車が中古車市場に出回ってしまった場合、警告灯が殺してあり、点灯しないのでABS故障だと気づかずに購入してしまい、あとでビックリ!!なんて方を時々見かける。

古い車なのである程度の妥協は必要かもしれないが、せっかく買うなら完璧なVR6が欲しい。
ぜひこれから中古でVR6を買いたいと思う方は注意して頂きたいポイントだ。
ちなみにこの点灯パターンは、管理人かまたが所有する'96年式VR6の場合である。
年式によっては点灯パターンが異なる可能性もあるが、どの年式でも必ずエンジン始動までに一度は警告灯玉切れのチェックをするためにABS警告灯を点灯させるはず。
既に所有されている皆さんのVR6はいかがだろう・・・??
ブレーキ警告灯の怖い話
 最後はブレーキ警告灯について。

サイドブレーキを解除した状態でもブレーキ警告灯が点灯すると、ブレーキフルードが減っている場合がほとんだ。
しかし、これがABS警告灯と同時点灯になった場合は、プロポーショニングバルブ(以下、Pバルブ)が故障している可能性が高い。
 
 このPバルブは制動中に車が姿勢変化を起こしフロントに荷重がかかった際に、リアの荷重が低下し、リアブレーキがロックしないように圧力を抑制する役目を担っている。
例えば、状況に応じて、フロント50:リア50の制動力を発揮するところを、フロント70:リア30に制動力を分配したりする。
では、リアのブレーキがロックしたらどうなるのか??
即発散、スピンに至る。
右の画像のミニカーのようにリアタイヤをテープで固定して、坂道(斜めに設置した板とか)で転がしてみると分かりやすい。
こんな小さなミニカーでも実車と同じ動きをする。
一度お試しあれ。

ちなみにこのPバルブ故障は、ABS故障を放置したままだと発症する可能性が高くなる。
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考察、VR6のヒーターコア。
こちらもABS同様、故障は勘弁ですな・・・

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